「あの・・・うちの娘が
迷惑をかけたようで
本当に申し訳ないです」
父が正座をして謝っている
その光景に少し戸惑った。
そして主任の方も
沖縄のことと勘違いしたのか
「いえ!とんでもないです」
と答えた。
あたし主任とのこと
母に何も言ってないよね?
沖縄のことも言ってないよね?
うん?まさか 千歳とかサッチー?
うちの親にあって話した?
ならば母は黙ってないよね?
「あんたね!彼氏ができたの?」
と一言いってくるよね?
「うちの娘 クビですか?」
父の言葉に主任もあたしも
「えっ?」と驚いて
その先何も言えなくなった。
やっとのことあたしは両親に聞いた
「クビ?クビって何?」
「会社であなた
何かやってしまったんでしょう?
だから上司の方がわざわざ出向いて
状況説明に来られたんでしょ?」
2人が言うには昨日あたしからの
電話で話があると言うのだから
何か会社で大変なことに
なったんじゃないかと
結論になったらしい。
「あの!お父さんお母さん
わたくし円香さんの上司は上司ですが
そーじゃないんです
申し遅れましたが円香さんの恋人の
藤堂征吾と申します
はじめまして」
「はぁ?恋人?」
「えっ?恋人?」
そして父はまだまだ続く。
「恋人のはずがないでしょう」
「そーだよそーだよ
あなたがうちの娘の彼氏?
そんなわけないよ
貴方のような人がうちの娘となんて」
「ちょっと!お父さん」
「あのぉ 嘘をつくために
来たわけじゃないです
どうしたら信じてもらえますか?」
主任の訴えに
「ほんとか?」「ほんとか?」
と何度も聞く父。
「本当です!
結婚の許しを頂きたく
ご挨拶に参りました」
『『『結婚???』』』
父と母の驚き様は半端ない。
それもそのはず
ここ2年彼氏は居ないと
言い続けてたから。



