病院の駐車場に停めてあったのは
会社の社用車だった。


「主任仕事中だったんじゃ?」


「ここに来る前に一軒寄ってきた
それが意外に時間がかかって
超イライラした」


「すみません仕事中なのに」


「気にするな!
なぁ 七瀬 どうして
相談してくれなかったんだ?」


「・・・言えなかった」


「・・・とか言って
言える環境にしてやれなくてごめん」


「主任が謝らないでください
全て悪いのはあたしなんですから」


「気づいてやれなくてごめん」


「だから!謝らないでくださいって」


「悲しませてごめん
悩ませてごめん
マジでごめん」


「主任・・・」


「いつもカッコばかりつけて
自己中で・・・」


「主任・・・・・」


「こんなオレだけど
結婚してくれないか?」


「えっ???」
主任の突然の言葉に驚いた。


主任とあたしが結婚?
あたし・・・
主任と釣り合う女性じゃない
主任にはもっと知的で華麗な人が
似合うはず
きっと 子供のことが出来たから
苦渋の決断したに違いない。


だからあたしの返事は
「結婚なんてできません!」
だった。


「どうして?」


「主任にはもっと素敵な人が
お似合いです」


「素敵な人って例えば?」


「綺麗な人?知的な人?」


「七瀬じゃダメなわけ?」


「あたし???」


「だいたいさぁ
さっきからの流れで気づかない?」


「何がですか?」


はぁ。。。とガクッと来てるような
大きなため息をつく主任。


「オレはずっと七瀬のことを
思ってたよ」


主任があたしのことを???