「しかしさぁ すごい命中力よね
たった一回でしょ?
普通さぁ ちゃんとするよね?
ひ・に・ん」
指を立てながら主任に向かって
嫌味を言う美奈。


「そうなってもいい!と
思ってたんじゃないんですか?」
翔太も嫌味。


「そうなるとは?」
1人考える華子。


「華子ちゃんは頭が回転してないのね
そうなるってのは円香の事が好きで
子供が出来てもいいと思ってたのよ」


「まぁ〜そーだよね
避妊しないってことは
そーだよね」


4人が好き勝手に主任を目の前に
主任の悪口を言う。


「お前ら!好き勝手に
言いたい放題
いい加減にしろよ」


「いいえ 言わせてもらいます
円香はずーと苦しんでたんですから」


「苦しむ?」
言ってることがわからない様子の主任。


「そーよねぇ 苦しんでたわよねぇ」


「そーですよ!
好きなのに好きって言えずに」


「七瀬がオレを好き?」


「あっ・・・」
そこまで言ってはいけなかったと
華子は途中で止めた。


「そんなの本人に聞いてください
好きか嫌いかなんて」


「だいたいさぁ
好きじゃない男とヤル女だと思う?
いくら雰囲気だと言ってもねぇ」
美奈が主任に向いてキツく言った。


「そーですよぉ!反対に
そんな女だと思ってたんですか!
主任はいつも言ってたじゃないですか
『遊ぶ女はいっぱいいる』って
それはどーなんですか!
円香を好きだとかそんなの
本気だとは思えません」
華子は怒りを主任にぶつけた。


「それは・・・
ここで説明する必要はない」
バツが悪くなったのか
そう逃げようとした。


「円香をそんな女の1人に
させるつもりなら迎えに
行かないでください
これから先 子供を抱えて
苦しむ円香なんて見たくないですから
だからこのまま悲しいけど
手術をして新しい人生歩んで欲しい」
華子の小言はまだまだ続く。


「オレの気持ちはここで
公表する必要はないって
言ってんだよ
1番に七瀬に伝えたいんだ」


「主任!カッコいいっす!
早く迎えに行ってあげてください
あっ!くれぐれも
オレのお陰ってのを
忘れないでくださいね」


「一言多いんだって」
と美奈に頭を叩かれる翔太だった。



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