その指先にある人物
そう主任を見て黙って華子は頷いた。


「ねっ!実家に帰るとか言って
平日に休むっておかしくない?」


「ですよね
土日だけで普通は帰って来ますよね?」


「まさかだけど 最悪なこと
考えてないかしら?」


「最悪って?」


「誰にも言わずこっそりと・・・」


「考えられますね」
と翔太。


「ヤバイですよねぇ
探さなきゃ」
と 華子は円香の携帯に電話を掛けたが
電源が入ってなく見つけ出すことが
出来ない。


「主任に言わないと」


「でも!主任に言いたくないから
こっそりしてるんじゃないですか?」


「いや!言うべきだよ」


「ダメですよ
主任って結婚するらしいですよ」


「はぁ???」


華子の発言に驚く2人。


「水口さんとするらしいです
子供ができたとか・・・」


「えっ?それどこ情報?」
美奈は華子に尋ねた。


「円香が言ってました
水口さんにそう言われたって」


「おいおい・・・
間違ったデマ情報だね」


「本人が言うんだから本当でしょ?」


「だってさ
ここだけの話 主任って
円香のこと好きなんだよ」


「えー!!!!!」
と驚く華子に対して
「そう思ってました」
と冷静な翔太。


「早くそれを言ってあげてくださいよ
円香 すごく悩んでて
水口さんが居るから諦める!とか」


「今日告白するつもりだったはずよ?
実はあたし あいつ あっ!主任から
相談されてたし」


「告白?
よりによって今日ですか!!!」


「もし自分が勝手に考えて
中絶しようとしてるなら
早く探さなきゃ」


「どーやって?」


「片っ端から電話するのよ」


「そんなぁ 電話で
教えてくれるわけないじゃないですか!
それでなくても個人情報とかって
うるさいのに」


「じゃあ どーするのよ
もしかしたらもう・・・」


「待って!なんで3人で悩んでんのよ
ちょっと!主任!!!」


美奈は主任を呼んだ。