「やっときたか」
山本さんがそう言ったように
聞こえたが。。。


「とうとう時間になっちゃった
色々話せてよかったです」


「こっちもよ
ここの病院を選んでくれて」


「女医さんの病院を探してきたので」


「凄い偶然ね」


「では!
頑張ってきますね
って何を頑張るんだろ
あはは あたし麻酔で寝てるだけなのに」


人生の再出発の扉
そのドアノブを回して扉を開けた。


そこには意外な人物が立っていた。


えっ・・・なんで?・・・


そこに居たのは主任たったのだ。


「ど・どーしたんですか?
こんなところに」


あたしの慌て様は半端ない。


「お前こそ ここで何してる?
ここがお前の実家か?
今は実家に居るはずだろう!」


「あっ・・・いえ
実家から早く帰ったんです
そう 夜に主任との仕事があるし
だからあたしは今
ほ・・・そう!ホルモン注射を打ちに
主任は?あっ!!!そーか
そーですよね
水口さんの受診に着いてきた?
あぁ なるほどなるほど
じゃあ あたしの順番がきたので
失礼します」


超高速の早口のあたし。


「待て!」
手を力強く捕まえられた。


「離してください
あたしの順番来てるので」


「ちょっと奥へ入れ」


無理やりまた待機室に戻された。


「そんな無理やりなこと
やめてあげなさい」


山本さんが言うからか
強く捕まえられてた手は
離された。


こんな修羅場を山本さんに
見られるなんて恥ずかしい。


「だいたい
イライラするのは分かるけど
もっと優しく言えないのかしら」


「うるさい!」


「はぁ?うるさい?
よくそんなことが言えるわね!」


山本さんは さっきあたしが
色々話したから あたしの味方を
してくれているのか
主任に対して口調が荒い。