螺旋階段の上の部屋はとても不思議な場所で、例えるならお城にあるヒミツ部屋みたいなところ。
2階建ての建物のはずなのに、ここだけ高い位置にあって。そういえば外から見た時1ヶ所だけ突き出ている場所があったっけ。
なんだろうって思ってたけど、この部屋だったんだ。
「波瑠、こっち」
中は薄暗くて部屋の非常灯と足元を照らすわずかなライトしかない。先輩が手招きするほうを見るとあまりの迫力に立ち止まってしまった。
「な、なんですか?これ……」
そこにあったのは大きな機械。今にも動き出しそうな変わった形をしていて、それに触れることができるのか、そこにもまた階段が付いていた。
「望遠鏡だよ」
「ぼ、望遠鏡ですか?」
私が知ってるものと全く違う。
だって普通の望遠鏡は細長くて三脚が付いていて持ち運びだってできる。でもこれは色も形も大きさも存在感も規格外って感じだ。
「おいで」
先輩はいつの間にか望遠鏡の傍にある階段を登っていて、ロフトベッドのような場所から顔を出していた。
さっきの螺旋階段とは違ってなんだか足場が狭いし、直角だから怖いかも。
すると先輩が手を伸ばしてくれて、私は引き上げられるようにしてたどり着いた。
「……あ、ありがとうございます」
「いいえ」
……手……触っちゃった。
大きくてゴツゴツしてて男の人の手って感じだった。



