そのあと昼食を食べたり街をぶらぶらとして、夕方に頃に先輩のお父さんが働いている自然科学天文台へと向かった。
キレイに整備されている森林を抜けて丘の上。
近未来のようなデザインの建物が見えてきた。
「本当に入れるんですか?」
「ちゃんと父さんに言っておいたから大丈夫だよ」
先輩ってお父さんのこと〝父さん〟って呼ぶんだ。ちょっとプライベートの部分が見れた気がして嬉しいかも。
……ん?ちょっと待って。
私すごい呑気のこと言ってるけど、お父さんが働いてるってことはもしかして会ったりするんじゃ……。
その展開は考えてなかったけど、きっとそうなるよね?
私の格好ヘンじゃない?そもそもワガママ言って中見せてもらったら非常識な子だって思われない?
ああ、ど、どうしよう……。
「亜紀」
その渋い声に心臓が跳ねあがった。
館内はすごく声が響いて〝関係者以外立ち入り禁止〟と書かれたドアからひとりの男性が出てきた。
コツコツという靴音。
ゴクリと息を飲む暇もなくて、先輩のお父さんと会うことになってしまった。
「こんにちは」
そう挨拶されて「あ……」って思った。
笑った顔が先輩に似てる。いや、先輩がお父さん似なのか。その優しそうな顔を見たら緊張の糸がほどけた。
「まだ仕事してる人が何人かいるから迷惑にならないようにしろよ」
「うん。分かってる」
先輩とお父さんのツーショットがすごくレアなものに感じて、つい見てしまう。
「もし分からないことがあったら研究室に来なさい。まだそこで仕事してるから」
ここには天体の資料や隕石などの展示物が置いてあるから、きっとここで働いてる人たちは星の研究をしてるんだろう。
研究ってカッコいいな。好きなことを仕事にしてる感じがする。



