100万回の祈りをキミに




「治るということはないです。進行性ではないのでこれ以上骨の幅が狭くなるということもないですが」

「これからも痛みがでたりとかは……」

「日常生活にはなんの問題もないですし、痛みがでた場合は痛み止めで鎮静できます。ただ……」


お母さんに向いていた先生の視線が私になって、その言葉の続きをゴクリと唾を飲んで待った。


「過度な運動、とくに短距離などの走りは負担がかかるから今後は控えたほうがいいです」

「え……」

目の前が真っ白になった。


「わ、私陸上部でその……短距離をやってるんですけど、もう走れないってことですか?」

そんなの嘘だ。だって今まで走ってたもん。長期間も短距離も全く問題なかったのに。


「走れないというより、負担が大きい走り。つまり大会とか競技にでるような走りが難しいってこと」

「そ、そんな……」

「今まで症状が出なかったのは骨が耐えられる範囲だったから。今は成長期で体が変化するし、陸上部なら尚更持久力もスピード力だって上がる」

「………」

「これ以上の運動をすると最悪痛みだけじゃなくて歩行困難になる場合もありますよ」


脅してるわけじゃないって分かってるけど、背中がぞわっとした。


結果的に私は日常生活に問題はなくて、運動もムリをしなければできるけど、陸上部はダメだって、そういうことでしょ?


お母さんは大きな影響はなくて良かったってホッとしたような顔をしたけど、私の頭はまだ真っ白なまま。

走ることが大好きで、これからたくさん大会に出て頑張ろうって思ってたのに……ぜんぜん気持ちの整理なんてつかない。