嫌だ、逃げたい。 この場から立ち去りたい。 そんな想いで立った瞬間 『今日から俺とお前、友達だから。何かあったら俺に言えよ』 ふいに彼の言葉を思い出してしまった。 声にしたら、伝わるの? 助けてくれるの? ううん、声にしたらなにもかもが崩れてしまう。 私が今まで頑張ってきた努力が無駄になってしまうんだ。 嫌な気持ちを閉じ込める。 心の中にフタをした。 でも…… 「……い、」 やだ。 声にならない声を発した時 グイー! 私は誰かに肩をとられ引っ張られた。