私はゆっくり、後ろを振り返る。


誰も座っていない席がポツーンと空いてる。


嘘…


開いていた窓から風が吹いて、髪の毛が揺れる。



フワッと新しいシャンプーの香りがした。



春瀬くんのために…


変えたのに。


いい匂いするって。


言ってくれたから。


また言ってほしくて。



味わったことのない感情が溢れてくる。