そのとき、
「きゅっ」
宗太郎から苦しそうな、鳴き声?
なんというか小動物のような、苦しそうな鳴き声が宗太郎と私の間から聞こえた。
何かと思って宗太郎を離した瞬間、
ボワンっと煙と一緒に、
「く、くるしかった〜!私がおること忘れんといて欲しいわ宗太郎殿〜」
目が点です。
一瞬にして宗太郎と私の間から、修験道者の身なりをした青年とおぼしき、うさぎのお面をかぶった人間が、煙と一緒に出てきたのだ。
「ごめんね次郎坊、いたくなかった?」
宗太郎は何事もないように、いつもの優しさ100パーセントの心で、心配そうに尻餅ついてる青年の頭を撫でている。
「修験者たるものなんのこれしき、宗太郎殿!お気になさらず!」
お姉ちゃん全然ついていけません!