宗太郎……!! とにかく探しに行かなくちゃ、 その一心で、パジャマのまま家を飛び出した。 夏の夜、走る砂利道の両脇には田んぼ広がっている。 今夜は満月、月明かりが強く、田んぼの水面を照らしていた。 虫やカエルの鳴き声が辺りに轟く、 豪太君のところにも寄らずに私は山の方に走った。 山を越えるには、赤山神社を通る道しかないのだけれど、宗太郎がそれを知っていなかったら、 獣道を行こうとしていたら、 ぞっとして走る足を早めた。 イノシシだってクマだって、毒蛇だっているのに……!!