お風呂に入って、部屋に蚊帳を取り付けた。

宗太郎はこの蚊帳を気に入っていて、
毎晩テントみたいだとはしゃぐ。


「寝るよ宗太郎」

「はーい!」



今日も大きな月が、濃紺の空に浮かんでいた。


風通しの良いように、雨戸は外してある。
虫やカエルの鳴き声、

カラッとした空気、


どこからか漂う蚊取り線香の香り。



全部が私には無くてはならない夏だった。




電気を消した部屋の、宗太郎の布団の方に次郎坊は寝床を作って、今日1日いろんな事があったので、私達はすぐに夢の中へと誘われた。