「ねえ次郎坊、」
宗太郎は、次郎坊の首に手を回しながら、ゆっくりと話し出した。
「海を見たいの」
「ほう、海でございますか、宗太郎殿だけでしたら、五郎坊に頼めばすぐに運んでくれるでしょうが、何せ春子殿はちと無理がありますからねえ」
「どういう意味よ」
運ぶってなによわたしは運べないっていうの
よくわからないけど失礼な事を言われた気がして反射的に次郎坊を叩いてしまった。
「春子殿恐ろしい女子でございますなあ」
「お姉ちゃん優しいよ?」
「これはこれは」
話しをしながら歩いていると、ガサッと森のどこからか音がした。
「なに!?」
びっくりして慌てて次郎坊にしがみつく。
次郎坊はなんてない素振りで宗太郎を下ろし、私達を背中で隠した。
じっとしている私達、
その時、
「次郎坊やないの」
い、いのししーーーー!!!!
「きゃああああ!宗太郎!!お姉ちゃんに捕まって!!!」
「わ、春子殿落ち着かれ!!猪じゃけどあれは!!春子殿!!」


