どうして玄徳様のことを?
「ありがとう次郎坊!」
気にしてる間もなく、宗太郎は次郎坊にウキウキとついていく、
少しの違和感を覚えながら、私も2人のあとを追った。
神社の裏手の道を、進んでいく私達、
蝉の鳴き声も聞こえない、静かな森の中、そこに一つ、小さな祠があった。
「ここにそのそのお酒と大福をお納めくだされ、さすれば玄徳様の元へ後ほど他の眷属見習いがお届けいたしますゆえ」
「え、あ、はい」
言われるがまま、お酒と大福を祠の前に置いて、しゃがんで、宗太郎と2人で祠に手を合わせた。
「昨晩は宗太郎を助けてくれて、ありがとうございました」
「ありがとうございました!」
「玄徳様もお喜びでございます」
お面をかぶっているけど次郎坊は、笑っているような感じがした。
「次郎坊はここの宮司さんかなにか?」
立ち上がって次郎坊に向き直る。
「いえいえ、私は玄徳様の眷属見習いの修業中の身でございます」
「ふうん、修験者ってこと?」
「まあそういったところで」
軽くはぐらかすように、次郎坊は宗太郎を抱き上げた。
「さあ日の暮れる前に山を出ますぞ春子殿、宗太郎殿」
「わたし、名乗ったっけ」
「眷属見習いともなればなんでもわかるのです、さあ急ぎますぞ!」


