「宗太郎、次郎坊にこれあげ、まだ子ウサギやし牛乳がいいやろう」
おばあちゃんの声がした。
おばあちゃんも縁側に出て、次郎坊に飲みやすいようにお皿に牛乳を入れて持っていた。
「おはよう春子、気分はどうなん、ご飯食べれそう?」
「え、気分って、別になんともないけど、おばあちゃんそれより今何時?」
「今は11時くらいかね」
「え!起こしてくれればよかったのに」
「だって昨日春子、神社の階段の下で気を失ってて、宗太郎が豪太君呼んで来てって大変やったんよ」
え、そんな。
昨日は、
だめだ、思い出すの渋るなあ、昨日の記憶。
だって、よくわからないもん。
「そうだったんだ、あとで豪太君にお礼行かなきゃ」
「お姉ちゃんあと、玄徳様にもお礼行きたい!」
考え過ぎて痛む頭をさすっていると、宗太郎は縁側に手をついてキラキラした表情で知らない名前を出した。