江梨子をはじめとする監禁されていたみんなは、無事、近くの船の荷物の中から発見されたそうだ。

睡眠薬の点滴をされていたらしいが、回復している。

江梨子も悠香も、未だ心の傷は癒えていないみたいだけど、さっき会ったら笑えるようになっていた。

当然、悠香の隣には番犬のように浩太がいたけれど。

海外で待ち構えていると思われた犯人は、状況を察してか港に現れなかったらしく、未だ組織の解明まではいってないらしい。


「もう痛くないの?」


そう尋ねる私に友季子は少しだけ笑って、手元の紙を封筒に入れた。

手紙を書いているようだった。


「よしこちゃんと同じように足を撃たれたのに、意識失うなんてね。痛みはだいぶマシになってるよ」


「うん。てっきりお腹あたりを撃たれたと思ってたから、本当に良かった……」


ここに来るまでの間、ずいぶん悩んだ。

何度も繰り返し、自分に聞いた。

『友季子になにを言ってあげられるの』って。

それは今も同じ。


友季子は体中から大きく息を吐くと、窓の外に視線をやった。