「ちょっと待ってよぉ」


声に振り向くと、松葉づえをつきながらよしこちゃんが不満げな声を出して追いかけてきていた。


「よしこちゃんはまだ入院中なんだからね。同じ病院なんだから、いつでもお見舞い行けるでしょ」


そう言って苦笑する自分に、久しぶりに笑ってるな、なんて思った。



今、私はよしこちゃんのお見舞いに総合病院に来ている。



このあとの予定を聞いたよしこちゃんが、「アタシも行くわ!」と鼻息荒く言ったので、こうしてふたりで向かっているところ。

日差しは今日も強く、病院の廊下を明るく染めている。

暑い夏に起きたこの事件。

普段なら楽しい夏休みも今は少し悲しい。


「だってぇ、せっかくだから戦友同士でお見舞いしたいじゃない?」


すっかり元気を取り戻したよしこちゃんは、バッチリ化粧をしているが、

「寝間着が男性用なのが許せないの」

と、持参したフリフリのパジャマを揺らして言う。


「はいはい」


この元気があれば大丈夫。

きっとすぐに元気になるよね。

目的の部屋の前には警官がいた。