奈津から感じる鼓動も、私と同じくらい早かった。

「か、感じた」

「俺も…、望美と手を繋ぐとドキドキするよ」

奈津なりの伝え方だった。

ちゃんと口で言えばいいのかもしれない。

だけど、奈津は自分なりに私に教えてくれる。

「嬉しい……」

そんな奈津が、私は大好きだ。

『微笑ましいねぇ』

『シンク?!』

『どこ行ってたんだよ?』

『ちょっとね』

シンクは、私たちを見下ろす。

『あの二人見ると、何だか懐かしい』

明日は、私の誕生日。

私は十六歳になる―――。