妖精の心を貴方に2 真紅の妖精

【奇跡】

俺は、扉の前に立って叫んだ。

「まず、俺と関わった者達の記憶の中から、俺とシンクのことを消去する」

大きな時計の針がガシャンっと大きなおとを立てて動く。

「二つ目、ヴィーナスの記憶のかいざん。俺が話したことを、自分が考えた事だと思い込ませる」

再び時計の針がガシャンと動く。

『本当にいいの?望美達の記憶から私達を消しても』

「過去への介入は、本来許されないんだ。ここで修正を行わないと、未来でどうなるか分からない」

『でも、未来の子達には力をさずけられたよね?』

「そうだといいな」

俺は、鍵を取り出して、目の前の扉の鍵穴に鍵をさしこむ。

扉は、ゆっくりと開かれる。

「さて、今度こそ行くぞ」

『了解!今度こそ、未来を救おう!』

「あぁ、この世界でやるべき事は終わった」

あとは、未来に行ってアクを倒すだけだ。

『未来でまた会えるといいね』

シンクの言葉に、俺の顔はほころぶ。

「少しは、楽しめたかな」

『良かったね奇跡』

俺は、シンクとリンクする。

「それじゃあ、元気で…。未来でまた会おう」

俺は、時空の中へと足を踏み込む。

「それまでお元気で、父さん・母さん」

その言葉を最後に、扉は完全に閉じその場から消えた。