妖精の心を貴方に2 真紅の妖精

検査後のリハビリや、遅れた分の授業の補習。

俺達は、できる限り望美の助けになるように行動をとった。

そして、大会を控えていた俺達は、無事勝つことができ、優勝することが出来た。

新キャプテンには、恭也先輩が選ばれ、これからの俺達の練習は更に厳しくなると思った。

望美の方も、退院した後は絵のことに専念していた。

あの事件が嘘だったかのように、あっという間に時間が過ぎた。

そんなドタバタな日々が流れて、夏が終わりに近づいてきていたころ、俺は望美に伝えるべきことをまだ伝えていなかった。

『おい、奈津いつ言うんだよ!』

「し、仕方ないだろ!色々と忙しかったんだからさ」

『いい加減にしろ!早く自分の気持ちくらい伝えろ』

「分かってるよ…」

ハヤテに説教をくらいながらも、俺は今日望美に言うと決めていた。

そして、望美はまだ来ていない。

今日は、俺の誕生日ってことで、望美と一緒に出かけることになった。

(誕生日ねぇ…、すっかり忘れてたわ)

色々とあったしなぁ。

そんなことを考えていた時、望美が手を振りながら走ってくるのが見えた。

『おいおい、走って大丈夫なのか?』

「リハビリはもう完璧だし、大丈夫じゃないか?」

『いや、心配できないだろ…』

そうだろうか?と思った時、望美は小さな段差に足をかけて転びそうになった。

「あっ!」

俺は、慌てて望美に駆け寄り望美を抱きとめる。

「ご、ごめんね奈津!」

「お、俺はいいよ。それより望美は大丈夫か?」

「うん、私は大丈夫」

『あらあらお二人さん、顔が近いことで』

「「え?!」」

ルルに言われて気づいた。

俺と望美の顔が近かったことに。

俺達は、急いで離れた。