妖精の心を貴方に2 真紅の妖精

【奈津】

「…あれ…?」

ここ、病室か?

俺は、まだ眠い目をこすって時間を確認した。

「六時か…」

朝まで病室に居たのか。

流石に帰らないと母さんが心配するかな?

俺は、望美の方を見る。

望美は、何も変わらず眠っている。

「望美に、かっこ悪いところは見せられないか…」

俺は、ハヤテに小声で声をかけた。

「ハヤテ、帰るぞ」

『ん…、まだいいだろ?』

ハヤテも眠たげに目をこする。

「そういうわけにはいかない。一旦家に帰るぞ」

『分かったよ…』

ハヤテは、ルルを起こさないように隣から離れる。

「じゃあ、またな望美」

最後に、俺は望美の髪を撫でた。

踵をかえして病室を出ていこうとした時――

「…奈津……」

「――!」

掠れる声が俺の名前を呼んだのを、俺は確かに聞きとった。

それは、俺の後ろから聞こえた。

俺は、内心で疑いながらも後ろを振り返った。

「……奈津」

「…望美?」

そこには、眠っている望美ではなく、目を覚まして俺の名前を呼ぶ望美がいた。

「望美!!!」

俺は、直ぐに駆け寄った。

『な、なになに?!』

ルルは、俺の声を聞いてる慌てて飛び起きる。

『ルル!望美が目を覚ましたぞ!』

『ほ、本当に?!』

ルルは、すぐさま望美に近寄る。