妖精の心を貴方に2 真紅の妖精

【望美】

私は、暗闇の中でうずくまっていた。

何も聞こえない、何も感じない。

無の世界。

私は、なんでこんな所にいるのかな?

何も思い出せない。

私は、顔を上げて辺りを見回す。

やっぱり、何も見えない。

そう思った時、私の身体が下へと引っぱられた。

「なに?!」

下を見ると、私の足を何かが掴んでいた。

「な、なにこれ?!」

私の足を掴むそれは、私を闇の世界へと引き込んでいく。

「いやっ!そっちに行きたくない!」

振りほどこうと足をばたつかせるが、取れるどころか掴む強さが増した。

「いたっ…」

ゆっくりと闇の中へと引きずり込まれていく。

「このまま私…」

ここを抜け出せないまま、闇に呑まれるの?

そう思った時、紅い真紅の蝶が私の周りを舞っていたことに気がついた。

「誰…?」

真紅の蝶は、私の肩に止まった。

私の体は、温かい光に包まれた。

(温かい…)

感じたことがある温もりだった。

周りが暗闇から光の空間へと変わった時、目の前に奇跡が姿を現した。

「奇跡…?」

「良かった。間に合って」

奇跡は、私の手を掴んでひっぱりあげた。

「なんで…、奇跡がここに?」

「貴方を連れ戻しに来た」

「私を…?」

なんで私なんかを?

「外で奈津が待ってる」

「奈津が?」

『ルルやハヤテも待ってるよ!』

ルルとハヤテも?

その時、私の目に涙が溢れた。