妖精の心を貴方に2 真紅の妖精

【有水】

私は、奈津くんに向き合っていた。

(フレイアを取り戻すため、自分のためにも、絶対奈津くんを手に入れる)

私は、一歩前に出る。

「奈津くん、ずっと前から言ってる事だけど、私と付き合ってほしいんだ」

「…俺も前から言ってる。お前とは、付き合えない」

私の中で、焦りが出てくる。

「どうして?だって、奈津くんは望美さんと別れたじゃん」

「そうだけど…」

奈津くんは、私から目を逸らさない。

「俺は、まだ望美が好きだ」

「え…」

だって、ヒュプの力は効いているんじゃ…?

「で、でも私は、それでも奈津くんが好きなの!」

私は、奈津くんに抱きつく。

「こんなに、好きになった人は、奈津くん以外居ないの、だから私と付き合って…」

奈津くんは、私を離すと距離をとる。

それが、私と奈津くんとの距離なんだと思った。

「お前は、俺がお前の物になれば、それで満足なのか?」

「満足だよ!だって、私が欲しがっていた物が、自分の物になるんだよ!」

「お前には、もっと欲しいものがあるんじゃないのか?」

「え…」

私が、もっと欲しいもの…。

そんなの、奈津くん以外なにもない。

「今のお前は、 本当に俺を欲しているようには見えない」

「そんなことない!勝手に決めつけないでよ!」

奈津くん以外に欲しいものなんて、なにも――