妖精の心を貴方に2 真紅の妖精

【奈津】

「おい!小早川!」

田星が俺の胸倉を掴んできた。

「お前、望美に何言った!」

「…なにも言ってないけど」

田星は、手を離すと望美の後を追いかけた。

『おい、奈津!追いかけなくていいのか!!』

「……」

俺は、ハヤテを無視して席につく。

(別に、あんな奴追いかけなくていい)

俺には、関係のないことだ。

でも、何でだろうか。

気持ちがスッキリとしない。

別れられて嬉しいはずなのに、心から嬉しいと思えない。

(俺は…、一体……)

俺は、いつあいつの事が嫌いになったんだろうか?

何かきっかけがあったか?

「奈津さん…」

「なに?」

夏村が、俺の前に来る。

「奈津さんは、本当に望美が嫌いなんですか?」

「何でそんなこと聞いてくるだ?」

「…奈津さんの気持ちを確かめたかったからです」

「俺は…」

そこで俺は言葉に詰まる。

(嫌いなら、嫌いと言える)

だけど、俺の中でそれを言うことを許さない部分がある。

「…分かりました」

夏村は、何かをメモっていた。

「何メモってんだよ」

夏村は、メモったことを俺を見せる。

「奈津さんは、まだ望美のこと好きですよね?」

「はぁ?」

何で夏村に俺の気持ちを決められないといけない。

「じゃあ、嫌いならなんで…。泣いてるんですか?」

「え……」

俺は、言われて初めて泣いていることに気づいた。

「なんで?!」

俺は、急いで涙を拭った。

『奈津…、お前…』

『お前は、誰だ』

「アカツキ?」

アカツキが、俺を睨みつけてくる。

『お前は、誰だと聞いているんだ』

その質問に、俺の首筋がチクリと痛んだ。