戻りたかったんだ あの雨の日に
ずっとそうしたかった

ずっとそこにいたかった
永く憧れた場所だった あの雨の日に
夢の中で見た あの場所だった

容赦のない 激しさに
身も心もボロボロだった
せめて 何か
安らげる灯のようなものが欲しかった
ずっと夢を見ていてもよかったが
神様はそれをよしとしなかった
神様は何も赦してはくれなかった
夢を見ることも 何かに身を委ねることも
安らぎを求め そして それを 手にすることにも


虐げられることにも 慣れた
妨げられることにも 慣れた
ようやく 苦しむということに 慣れた
それらは 日常茶飯事になった
それなのに


あの雨の日に 見た場所は
僕に「幸せ」を思い出させた

そして今が そして僕が
そうではないことも思い出させた

神様は何も赦してはくれなかった
そして 祈ることを やめた