ゆっくり静かに、玄関の鍵を回す。
玄関を開けた瞬間、チーズとミートソースのいい匂いがした。
今日の夕飯はミートドリアね!
私の大好物!!
こっそり、息を潜めて、自分の部屋を目指す。
そしたら、蒼樹にいさんに問い詰められても、私はずっと部屋にいたって言えるもんね。
でも、玄関から私の部屋に行くには、リビングを通らなければならない。
ここが難関!
リビングにつくと、そこには蒼樹にいさんの姿があった。
にいさんは食卓の椅子に座っている。
私のこと待っててくれたんだ……。
机の上には、私の予想通りミートドリアが置かれてある。
にいさんは落ちつかないのか、指の先で机を叩いたり、しょっちゅうキョロキョロしたりしている。