「すごいな、君は本当に強い霊力をもってるみたいだ。
今のも言霊の力だよ。」
こ、言霊……。
彼は、諦めたように力なく笑った。
「いいよ、その子は君が預かってて。
でも、危ないことはなしだよ?
なにかあったらすぐに僕を呼ぶんだ。
方法はただ、僕の顔を思い浮かべながら、力を込めて「助けて」ってつぶやくだけでいい。
じゃあ、またね。」
青い着物がくるりと翻される。
後ろ姿もイケメン……。
なんて思っていると、
先輩がいきなり振り返って
「君の力は言霊の力……いいかい?
言葉には、気をつけるんだよ。」
そう言い残して帰っていった。