不機嫌なあやかし



「は、はい。」



そ、そんなにおかしいことだったのかな……?



「そうか……。
ごめんね、なんていうか、最初の方、いやな態度とったりして。」



「いえ、全然!
むしろ、助けてくれてありがとうございました!
あ、あとそれから、あの蝶々みたいなのなんなんですか?
貴方はあの蝶々なんですか?」



「君、本当に何も知らないんだね。
あのとき蝶を頼りに僕が移動出来たのも、君が僕に助けを求めたからなのに。」



彼はなぜか、笑いながら楽しそうにそう言った。



「大丈夫。僕は蝶じゃないよ。
ちゃんと人間。」