不機嫌なあやかし



い、いけない、私ほんとに見惚れちゃってた……!


「いきなり座り込んで……
怪我でもしたの?」


彼は心配そうに私の顔を覗き込んで、そっと私の足に手を伸ばす。


やめて!そんなに近づかないで!触らないで!私イケメンに免疫ないから、ドキドキしすぎて死んじゃいそう……。


「だ、大丈夫……です。
安心したら、力がぬけちゃっただけで。」


私はなんとか言葉を絞り出した。