不機嫌なあやかし



「やった……か。」


彼はそう小さく呟き、
壺に近づき封をした。


「さっきのよくわからないの、
終わった……の……?」


私はいきなり、身体中の力がぬけ、立っていられなくなり膝をついて座り込んだ。



「……!?
君、大丈夫かい!?」



急に座り込んだ私に気づいた彼は、驚いてこちらに駆け寄ってきた。


さっきまでそれどころではなく気づかなかったが、彼はとても整った顔をしていた。

癖のないサラサラな真っ黒の髪に、落ち着いた茶色の瞳、長い睫毛にぱっちり二重。


見惚れるほど綺麗な顔立ち……。