不機嫌なあやかし




「そのまま……手に力を込めながら聞いて。」



……先輩はまだなにか私の耳に囁き続けるつもりらしい。
いや、本人はそんなつもり
全くないんだろうけど。



恥ずかしすぎて死にそうだから、この爆発しそうな思いを全部、手の方に送ることにした。


なんだかもうなにも考えられない。
体があつい、頭がぼーっとする。



「これはいわゆる、お祓いの時に使う術だ。
この印を結ぶことによって、力を集めやすくなったり、力の消費を抑えたりできるんだけど……
最初はとりあえず、何も考えずにやってみて。」



「はっ、…………へ?」



やばい、なにも聞いてなかった……

ていうか今なにかを言われても絶対頭に入ってこない!



「大丈夫。僕がカウントするから、それに合わせて、込めた力を放出させるようにイメージするんだ。」



「わ、わかりました。」



息が荒くなってるのが、自分でもわかる。