ち、ちがう!先輩は親切で手を握っててくれただけだから!!!
切り替えて練習、練習!
適当に荷物を放り出して、
先ほど言われたように、両手で印を結ぶ。
「うん、そんな感じ。」
そして、「でも」と付け加えて先輩は、私の腕に手を回してきた。
「!?」
「うん、このくらいの高さがちょうどいい。
手は綺麗に伸ばして。
背筋を伸ばして顎を引いて。」
せっかく手を離してもらえたのに、また先輩と急接近してしまった。
腕に手を添え、私と目線を合わせるためか、頭をぴったりとくっつけてくる。
ち、ちかい……!!
「足を肩幅に開いて。」
先輩が足元に目をやろうと、顔を動かしたのがわかった。
「うん、いいね、その調子。」
「っ……!」
先輩の顔が、丁度わたしの顔の横にあったようで、耳元で囁かれたような形になってしまった。
「そう、そのまま……
手に力を込めるようにして。」
「〜〜っ!はい。」
先輩の声と吐息と体温と、自分の心拍音と熱と恥ずかしさで、頭はパンク寸前だった。


