不機嫌なあやかし



それから私はまた、先輩に手を引かれて東の庭へと向かった。



「ここが東の庭だよ。」



「……はぁ……。」



なんていうかもう、それしか言えなかった。



東の庭とやらは、それはもう見事な日本庭園だった。


何度も言うけど、とにかく広くて、足元には柔らかそうな芝生が生い茂ってて、
おっきな池があって、丸い形に整えられた椿や牡丹の木が植えられている。


ちなみに広いのはこの庭だけではない。


ここに来る前に、先に北の庭ってとこを通ったんだけど、そこもものすごい広さでなんと……川があった。

しかも、橋がかかってるような大きいやつ。