……自分でも忘れていた。


私、先輩と手を繋いだままだった!!!!


そっか、だから使用人さんこんなに驚いてるんだ、私、か、か、か、彼女だと思われてるのかも!!!


ど、どうしよう、手を繋ぐのにもせっかく慣れて来たのに、意識したらまた恥ずかしくなってきてしまった。


い、いますぐにでもこの手を離したい……!


「華村さん、紹介します。
この子は妖統家のお嬢さん。
ちょっと、術の練習がしたいので、東の庭を使わせてもらってもいいですか?」


使用人さん相手でも敬語なの、素敵!!


「まぁ、妖統家の!?
お会いできて光栄でございます。
東の庭でしたら、本日はなんの予定もありませんので、どうぞご自由に使っていただいて構いません。」



「あ、は、はい、
あ、ありがとうございますっ!」


めちゃくちゃにどもってしまった。
こんな美人な大人の人とも自然に話せちゃう先輩すごいなぁ……。
あと、手を繋ぎながら誰かと話すのってすごく恥ずかしい。

にしても会えて光栄って。

なんていうか、すごくおおげさだなあ。
人生で初めて言われた。
たぶんもう、これから先も言われることはないだろうけど。



ていうか……ん?

術の練習?