不機嫌なあやかし



先輩の体温が、触れた部分からゆっくりと伝わってくる
先輩の声が近い


「ああそうだよ。でもそんなの、お前には関係ないだろ?」


「関係あるさ。僕はこの子を守らなきゃいけないんだから。」


「なんだよそれ!こいつは俺のもんなんだぞ!?俺がどうしようと勝手だろ?
ていうかお前!気安く俺の所有物に触んな!!」


所有物って……
でも確かにこの体勢は恥ずかしくて心臓に悪い。
でも、私の意志とは反対に先輩の腕は、力強さを増した。