でも、もう私は出会ってしまったのだ。
出会ってそして、知ってしまった。
こんな得体の知れない者でも、話はできるし、お腹は空くし、ベットではしゃいだり、かっこつけたりすぐに拗ねたりすること。

一緒にいた時間は、たった1日くらいだけど、それでも分かってしまったんだ。

彼は、私たちと同じなんだ。
同じ、色々な感情をもっていて、ちゃんと生きているんだ。


それに、先輩は、『凶暴な妖を処分するのは、人間の為の最善の策』だって言ってたけど、私はそうは思わない。
きっと、人間と妖が一緒に生きて行ける道もあるはずだ。