その今にも消え入りそうな私の声に、先輩は振り返った。 「どうして君は、こんなただの妖をかばうの? 君にとって、なんの得もない……いや、むしろ害になるくらいなのに。」 どこか悲しげな、先輩の真剣な瞳に見つめられ、見透かされたような気持ちになり落ち着かない。 どうして……? 確かに、そう聞かれると明確な理由は見あたらない。