不機嫌なあやかし



「う……ぐ、…」


こんな苦しそうな雷の声、聞いてられない


「もう一度、口も利けなくなるくらい強い封印をかけてやる……」


先輩の左手が印を結ぶ。

だめ、このままじゃ雷が……!


「先輩、やめて……」


想像以上に悲惨な、か細い声が出てしまった。