不機嫌なあやかし



「あーえっとこれは……」


先輩が昨日せっかく封印してくれた妖を、私が外に出しちゃったなんて言えない!

自然と目が泳ぐ。


「分かんねぇのか!?
バーカバーカ!!
俺様は雷!お前らが昨日、必死こいて封印した雷獣だよ!!」


しまった。
彼の口を塞いでおくのを忘れていた。