でも、それなら、同じ祓い屋である家系の私を引き取ったのも頷ける。


「それで、そんな蒼樹さんから昨日、電話がきて君のことを聞いたんだ。
大切な妹が心配だから、何かあったらよろしくって。」


あ、そういえばにいさん、そんなこと言ってたかも……。

雷を隠すのに必死でそれどころじゃなかったからなあ。

先輩は、私の方を向き直って言う。


「だから、何か困ったことがあったらすぐに僕のところにくるんだよ?」


午後の日差しよりも柔らかく眩しい笑顔。

綺麗な青みがかった黒色の瞳が宝石のようだ。



……王子様みたい。