不機嫌なあやかし



結局、私がおでこに感じた冷たさは、先輩の額だったんだけど。

私が恥ずかしさのあまりパニックを起こしていると、
先輩の後ろの方から、話し声が聞こえてきた。


「うそ……勇哉くんが……キスした!?」

「うそでしょ!?ていうかあの子誰よ!」

「2年の子でしょ?後輩のくせに生意気なんだけど」

「勇哉くんに触んなって。」




え、き、キス!?


違う違う!キスなんてしてない!!

ていうかこの声、さっき瑠璃が言ってた真田先輩のファンってやつ?

私、目つけられちゃうじゃん!


しかもこんな目立つとこで、みんなの前でこんなこと!!