不機嫌なあやかし



なんだろう……?

私が恐る恐る目を開くと、
そこには綺麗な、少し青みがかった黒が広がっていた。


それが先輩の瞳だということに、私が気づくまで少し時間がかかった。

どういうこと!?


「熱は……ないみたいだね。」


先輩の熱い息がかかる。


「んっ……!」


やだ、私へんな声だしちゃった。
体が熱い、恥ずかしい。


できることならばこの場から逃げ出したいが、先輩の後ろに回った手のせいでそれも叶わない。


先輩ここ、購買の真ん前ですよ……!?

みんなも見てるんですよ!?