不機嫌なあやかし



先輩は私のその熱に驚いたのか、心配したように顔をのぞきこんでくる。


先輩……近い……!


「だいぶ熱いね……。
大丈夫?熱でもあるのかな?」


先輩は右手を、そのまま私の後頭部へとまわした。
更に先輩との顔の距離が近くなる。
恥ずかしさのあまり私は目をつぶった。

そしてその数秒後。

私のおでこにひんやりとしたものが。