不機嫌なあやかし



「祓い屋さんって笑
名前で呼んでよ。僕は真田勇哉。」


先輩は見惚れちゃいそうなほど素敵な笑顔をこちらにむける。


「さ、真田……先輩……。」


そんな笑顔むけられたら私……!
どうしよう、顔があつい。
瑠璃が言ってた真田先輩って、この人の事 だったんだ。


「ふふ、可愛いね、顔が真っ赤だ。」


真田先輩の右手が私の頬に触れる。


「!?!?」


ひんやりと冷たい先輩の右手。

ところが、その手は、私の火照った顔を冷やすよりも、むしろ熱くしている。

恥ずかしい……熱い……。