「ハハハ。お兄ちゃんは健康そのものだ」
「親父!」
「そうか、もうそんな年か。この間まで子供だと思っていたのに、いっちょまえに」
「……っ」
「耀太も、もう17だもんな」
親父は、俺を見て目を細めた。
「……るせーよ」
なんだよ。
んなこと言われてすげー気まずい。
照れ隠しにそっぽを向いた。
遺族と担当医から始まった俺達の関係。
出会った時、8歳。
その1年後、事故に遭った俺の担当医にもなって。
すげー子供の心を掴むのがうまい人で。
小児科医かよってくらい、子供が周りに集まっていた。
俺もそのひとり。
父さんを亡くした俺を、人一倍気遣ってくれた。
落ち込んで、グラウンドにも立てなくなった時
父さんが出会わせてくれたハイジャンを続けろ……そう言ってくれたのも親父だった。
俺にとっては、なんでも相談出来る兄貴みたい存在だった。