「かおあかいよ?おねつでちゃった?」
「あー、すごく高い熱だ」
「えっ!くるしくないの?」
「んー、少し苦しいな」
「だいじょうぶ?」
「ああ。楽しくて幸せだから」
「……?」
「優飛も大きくなったら分かるさ」
キョトンとしている優飛の頭を撫でて、車に乗り込んだ。
「これ、お兄ちゃんのお友達に作ってもらったのー」
車に乗るなり、優飛は嬉しそうに母さんに首飾りを見せる。
「あら、器用な男の子がいるのね」
「ううん。お姉ちゃんだよ?」
「優……っ!」
「ふ~ん」
母さんは、ニヤニヤしながら俺を見た。
……ちくしょう。
優飛のやつ。
家までの道のり、ずっと母さんに冷かされたままだった。