出来あがった冠を、優飛ちゃんの頭に載せた。
さっきよりもドキドキする。
幼稚園の時のことだって、初恋の先生とあたしの感じが似てるとか。
つまり、あたし。
耀くんのタイプ……ってこと?
やだ。
そんなの嬉しすぎてどうにかなっちゃうよっ……。
「お姉ちゃんかおあかーい」
「へっ!?……や、やだっ……」
お願いだからそんなこと言わないで、優飛ちゃん。
……あたしの心の中
耀くんに丸見えになっちゃうよ。
「優飛。お母さんが待ってるから、そろそろ行こうか?」
ずっと下を向いてばかりいると、真っ赤にした張本人から助け船が出された。
木箱から立ち上がって、優飛ちゃんの手を引く。
「うん、おねえちゃんありがとう。また作ってね。ばいばい」
「それじゃあまひ、また明日な」
……ずるい。
余裕で。
「……うん、また……明日」
最後まで、顔を上げられなかった。