「乗って」



連れてこられたのは自転車置き場。


目の前には。



「……ママチャリ?」



耀くん、ママチャリ乗ってるんだ。



「ふふっ」

「なんか文句あるかよー」

「あ、ごめんごめん」



でも、イメージじゃなくて思わず笑う。



「じゃあ……失礼します」



後ろの荷台にちょこんと腰かけた。


ドキドキする。

耀くんの後ろなんて。



「そんなんで落ちない?」

「え……」

「俺の運転だと、50キロくらい出るかもよ?」

「50キロって……?」

「あの車くらい」



ブォーン……と、学校の前を1台の車が通過した。