紗衣の言葉に、俺の心が鈍い音を立てた。
やっぱり俺達の関係は"契約"。
改めて突き付けられたようで胸が痛かった。
紗衣に……そう感じさせていたことが……。
……っ…。
紗衣は。
ずっと、俺の中のまひと戦ってきたのかもしれない。
紗衣は綺麗にそろえた膝に、両手をついて唇を小さく噛んだ。
「私、間違ってた」
「……え?」
「自分だけが辛いと思ってた」
「…………」
「耀くんだって、辛かったのよね。……あんな忌まわしい事故、忘れたいはずなのに……」
俺は、思いっきり首を横に振った。
あの事故を忘れる資格なんて俺にはない。
傷を見て、紗衣といて、俺は自分を戒めるのだから。



